アマチュア無線とは

私たちは日々、スマートフォンやパソコンなど、情報端末を使っています。 その端末を使って電話や電子メールを送り、SNSという新しい仕組みでコミュニケーションを楽しんでいます。

このようなコミュニケーション手段がなかった昔、無線通信によるコミュニケーションが盛んだった時代もあります。 アマチュア無線は、個人で行う通信としてその手軽さに人気を集めました。

アマチュア無線では、電波を効率よく通信相手まで届けるためのノウハウが少し要ります。 ただマイクに向かって声を出せばいいのではなく、いろいろ考えながら電波を飛ばします。 電波を取り巻くコンディションも気まぐれです。 特に海外のアマチュア無線家と交信することは、偶然のコミュニケーションといえます。 私たちは偶然のコミュニケーションを記念して、QSLカードを交換して通信相手と別手段でコミュニティーをとります。 アマチュア無線家はコミュニケーションを大切にし、SNSのグループ同様に仲間を広げます。

このようにコミュニケーションを基本として、技術や競技など異なるジャンルを組み合わせて楽むこともできます。 インターネットがない時代は、遠方のリアルな情報を入手できることも魅力でした。 楽しみ方は無限大で、始めてみてわかることもたくさんあります。


まずは免許を

アマチュア無線とは、仕事では使えない個人的な無線通信です。 国家試験を受けて免許をもらい、アマチュア無線局をつくることを行政に申請して初めて無線ができます。 無線局をつくることを認められると、コールサインが与えられ、名前の代わりにコールサインを使って交信します。 このコールサインは世界的に管理されており、世界で唯一のものとなります。

少々面倒な手続きですが、電波とは公共のものですので責任のある通信が求めらえます。 少し管理されますので、SNSで起こるような面倒なトラブルはありません。 安心してコミュニケーションができます。


免許を取ったら

無線機は自分で用意します。作ってもいいのですが、専門のメーカーがあります。 アンテナも市販されていますが、簡単なアンテナならば「半田ごて」とペンチを使って1000円くらいで作れます。

国家試験を受けるときの勉強で、交信の仕方を覚えます。 実際は無線機から聞こえてくる他人の通信を聞いて覚えてしまう方が多いです。 それほど難しいことではありません。


魅力は

アマチュア無線には、いろいろな楽しみ方があります。 コミュニケーション志向の方は、海外との交信や国内との交信で楽しむことができます。 同じ趣味を持った同士ですので、難しいコミュニケーションは無用です。 コミュニケーションを音声やモールス信号、テレックスなど、電波を選んで楽しめます。

技術志向の方は、自作した機材で電波を飛ばしています。 実験的な側面もあり、理系の方には楽しんでもらえると思います。

無線通信は自然現象を相手にするためコンディションに左右されます。 このコンディションの変化も興味深いです。 コンディションから地球レベルの変化を感じることもできます。


根暗な趣味か

自室に引きこもって無線機の前に座っているイメージが強いですが、アマチュア無線家はコミュニケーションの達人です。 電波上の付き合いだけではなく、よくミーティングが行われます。

ただミーティングでは技術的志向が強い一面もあるので、電気や電波の話題になると盛り上がります。 この点がアマチュア無線を知らない方には違和感となるかも知れませんが、会社の上司の武勇伝と比べると知的で面白いと思います。


アマチュア無線の現状

アマチュア無線界は若い参入者を増やす努力を行ってきていなかったため、衰退傾向にあります。 アマチュア無線家の年齢も毎年上がってきますので、老人の趣味になりつつあります。 多少技術志向が強い面もあることから女性が少なく、おじいちゃんの趣味化しています。

おじいちゃんの趣味と思われてしまうアマチュア無線ですが、コミュニケーションという面では若い方も興味を示します。 SNSのコミュニケーションが合わない方には、アマチュア無線は「既読」などのワードもなく、居心地のいいコミュニティーです。


はじめてみたいとき

周囲でアマチュア無線をされている知り合いがいれば、聞いてみましょう。 魅力をたくさん教えてもらえるはずです。 「日本アマチュア無線連盟」で検索すると、免許の取り方の説明があります。